私がフランスに旅行して…
最初に驚いたことは、バターの美味しさです。
日本でバターをそのまま食べることは少ないですが、フランスではバゲットにたっぷりバターを塗って食べます♡
また、クロワッサンなどデニッシュにもたっぷりのバターが使われています!!
そのバターの風味の良さにただただ感動してしまいました~~

バターがふんだんに使われていることによって、生地が持ち上がり綺麗な層ができあがります!
街の中のスーパーで売っているような普通の箱に入ったクッキーなども泣けてくるくらい美味しいのです。
なぜ、こんなにバターが美味しいのか聞いてみると、それは発酵バターだったからでした。
最近、日本でも発酵バターが売られるようになりましたが、少し前までは発酵されていないバターしか作られていませんでした。。。
フランスに修行したことのある料理人やパティシエ、現地で食べたことのある人は
その味を忘れられず、なんとか手に入れたいと思うもの!!
輸入されるようになり、日本でも今ではカルピス社や四つ葉バターなどで発酵バターが作られています~

作り方にどんな違いがあるの?
発酵していないものも含め、バター製造の際にまず行うのは、
生乳を遠心分離器でクリームとスキムミルクに分けます。
スキムミルクはチーズやヨーグルトに使われ、クリームは加熱殺菌し、冷却します。
そのあとが、発酵バターならではのひと手間。
クリームに乳酸菌を加え、適切な温度を保ったまま、半日以上じっくり発酵させます。
この工程が発酵バターの風味を生み出しているのです。
発酵バターに含まれていて、非発酵バターに含まれていないものは乳酸菌のみ!!
乳酸菌とは発酵によって糖から乳酸をつくる嫌気性の微生物の総称。
腸内で悪玉菌の繁殖を抑え、腸内環境を整えてくれます!
人体に有益な菌のため「善玉菌」とも呼ばれ、
食品としては、ヨーグルト・チーズ・漬け物・日本酒など発酵食品の製造に使われています。
乳酸菌は腸内で大腸菌など悪玉菌の繁殖を抑え、腸内菌のバランスをとる役割を果たしています。
そして便通の改善だけではなく、コレステロールの低下や免疫力を高めがんを予防するなど、さまざまな働きがあると言われています。
最近ではピロリ菌を排除するなど、特徴のある機能を持つ乳酸菌も研究されています。
だから発酵バターは体にとってもいいものなのです!!
品質保証制度 AOC「Appellation d’origine contrôlée」
フランスには、伝統的な製法で作られた質の高い食料品に対して品質保証制度を設けています。
AOC「Appellation d’origine contrôlée」(原産地統制名称)と言われ、元となる法律は1955年にまでさかのぼります。
特にワインやチーズなどの酪農製品を対象とし、AOCを取得した製品の質の高さは、1992年EU(欧州連合)にも認められ、AOP「appellation d’origine protégée」(保護原産呼称)といい、製品の質の高さを保証するEU共通の制度内に吸収されました。
AOCはフランス独自のものでしたが、AOPはEU全体となり、EUで製産された高品質チーズにはAOPラベルが義務化され、消費者にも分かりやすく、偽物対策にもなっています。
1000種類はあるんじゃないかといわれるフランスチーズの中でAOPを取得しているのは、わずか45種だけ。(2018年9月時点)
AOPを取得するには、その生産品が独自のテロワール(土地)に属し、フランス原産地呼称委員会が定める生産にかかわる条件や製法等の要件など厳しい基準を満たしていなくてはなりません!
こういう制度を作ってしまうとは・・・さすが食を大事にする国だなと思ってしまいます。
AOPを取得するには牛や牛の餌、凝固剤、熟成期間、大きさなどなど細かく決められているのですが、認定してもらえれば、今まで名も無いチーズだったのが一躍有名になり、生産量も増え、高い値をつけることもできるので、一種の村おこしになるんです。
バターでもAOP認定を受けているものが5つあります。(2016年現在)
・Isigny(イジニー)
・Charente-Poitou(シャラント・ポワトゥー)
・Deux-Sevres(ドゥー・セーヴル)
・Echire(エシレ)シャラント・ポワトゥー地方ドゥー・セーヴル県のコミューン
・Bresse(ブレス)ローヌ=アルプ、ブルゴーニュ、フランシュ=コンテにまたがった地域

一番上のイジニー以外は土地や地方の名前で、そこで作られたものはAOPと名乗れます。
イジニーはノルマンディー地方のバター製造会社の名前です。この地方でバターを作っている会社があっても、このイジニーしかAOPを名乗れないのです。
面白いですよねー
伝統的なつくり方でバターを作ると、1リットルのミルクからわずか100gのバターしか作れません。
工場などで量産されているバターはそんな非効率な作り方をしていたら商売にならないので、AOP認定は受けられないのです。

日本に輸入されているフランスの発酵バターで有名なのはEchire(エシレ)でしょうか。
その値段にも衝撃を受けますが、やはりエシレの口の中ですぅーと溶ける繊細な味わいには虜になってしまいます・・・
今では丸の内などに専門店があるくらい人気です。
他にも何種類か輸入されています。
バターはすべての食べ物を美味しくしてしまう魔法のような食べ物です。
バゲットにバターを塗りチーズをのせて食べるのも、病みつきになるおいしさです。
そして発酵バターで作るデザートは格別。
バターはカロリーが、、、など気にせず、是非いろいろなお料理や食べ方で楽しんでみてください!
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